個人トレーダーの大多数は兼業トレーダーです。
トレードするのはもちろん稼ぐためですが、
稼ぎたい理由の根底にはおそらく、
「今の生活」から抜け出したいという、
「脱出欲求」があるのではないかと思います。
多くのトレーダーは、
肉体労働のラットレースから抜け出して、
低所得層から高所得層に這い上がるために、
あるいは庶民層から富裕層へ登り詰めるために、
現状打破の手段として「トレード」を選んでいるようです。
かくいう私自身も、
今でこそ専業トレーダーですが、
かつては時間を切り売りするサラリーマンでした。
億単位で稼げるようになると、
幸いにも素晴らしい人脈にも恵まれ、
気付けば周りは億プレイヤーしかいない状況になっています。
トレードに限らず、
みな何がしかの分野の第一線で活躍しています。
10年前には想像もつかなかった世界ですが、
ふと振り返ってみると、
ずいぶん高い山を登ってきたことを痛感します。
と同時に、
この山道は永遠に上へ上へと続いているのだと、
気を引き締められます。
人生はまるで登山のようなものかもしれません。
それぞれにステージがあり、
同じステージの人間が集まるように、
世の中はそうできています。
人付き合いにもお金が掛かります。
結局は、
本当の意味で全ての感覚が同じでなければ、
一緒にいることはできません。
もちろん金銭感覚もその1つなので、
同じ収入の人間だけが集まるようになっています。
地図でいえば、
等高線のようなものかもしれません。
山を水平にカットしていくと、
標高が高くなるにつれ、
その断面積は次第に小さくなっていき、
やがて頂上に到達します。
ポイントは、
登山口はいくつもありながら、
頂上は1つしかないということ。
そして、
上へ登るにつれ、世界が狭くなっていくことです。
収入が上がれば上がるほど、
殆どの友人がどこかで繋がっている状態になります。
みんなが顔見知りです。
地球上の全人口を収入分布でみたとき、
収入が上がるほどその人数は減っていきます。
この減り方が、
等高線でいう断面積です。
同時に世界も狭くなっていきます。
登山口はいくつもありますが、
どの登山口を選ぼうと、
最終的には同じ山頂へ辿り着き、
同じ価値観を持った人間だけが集まります。
もちろんこの分布は、
マズローの欲求段階とも完璧にリンクしており、
欲求のステージが高まるほど、収入も高まっていきます。
億プレイヤーの共通点は、
山頂を目指している訳ではなく、
道中そのものを楽しみながら登り進んでいることです。
山頂に上り詰めているのは、結果論に過ぎません。
一方で稼げない人の共通点は、
いきなり山頂を目指そうとしている人です。
楽しさは、
山頂にあるものと勘違いしているようです。
実際は、
道中の過程にこそ、楽しさがあります。
道中を楽しめない人は、いつまでも稼げません。
山頂ばかり見ているからです。
稼げない人は、
答えを導く過程を省略して、
いきなり答えを求めます。
稼げる人は、
答えに辿り着く過程そのものを楽しみます。
答えではなく、考え方を求められる人です。
どんな登山ルートが考えられるかを、
模索できる人です。
数学ができる人は、
答えではなく、解き方に拘ります。
数学ができない人は、
答えだけを欲しがります。
それも、すぐに欲しがります。
そういう人は、応用が効きません。
当然、稼げません。
答えが合っているかどうかは、問題ではありません。
その答えをどう導き出したかです。
そもそも実社会では、
答えのない問題しかありません。
過程を楽しめない人は、自然淘汰されます。
成長意欲によって、
どんどんステージを高めていき稼いでいる人は、
山頂で稼いでいる訳ではありません。
道中で稼ぎながら登ってきた人です。
稼げない人は、山頂で稼ごうとします。
道中を楽しむ余裕がないからです。
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稼げない人ほど、
上のステージにいる人と仲良くなろうとしますが、
実際には、
違うステージの者同士が仲良くなることはありません。
辿ってきた過程が違うからです。
両者には、全く同じ景色が全く別物にみえているので、
当然、話も噛み合いません。
唯一の例外は、
ステージを上げていく覚悟を決めて、
本気で頑張っている人間です。
そういう人は、
上のステージからも招待されます。
結果的に、収入もどんどん飛躍していきます。
実際、
そうやって成功していく若者を何人も見てきました。
共通して言えるのは、
「今この瞬間」を全力で楽しんでいることです。
稼げない人は、
山頂にいけば楽しめると思っています。
道中を楽しめない人は、
山頂でも楽しめません。
道中を楽しめる人だけが、
山頂に上り詰めます。
数学には、
答えは1つしかありませんが、
解き方は無限にあります。
稼げる人は、
違う解き方を無限に試行錯誤していける人です。
そして何より、それを楽しめる人です。
稼げない人ほど、
継続する秘訣を知ろうとします。
すぐに答えを求める人です。
稼げる人に、継続の秘訣は要りません。
楽しめていれば、自然と続くからです。
プログラミング言語の記述では、
数千行におよぶ計算が、
わずか数行で解決することも多々あります。
当然、後者のほうが数式がシンプルな分、
より速く演算結果が出ます。
プログラミングの初心者が答えを求めると、
記述はどんどん間延びしていきます。
当然、計算にも時間が掛かります。
記述が増える分だけ、
ミスの可能性も増えます。
それがリスクです。
優秀なプログラマーは、
答えを出すことを目的にしていません。
そこから余分な数式を削ぎ落していきます。
いわゆる贅肉です。
もっとラクなやり方があるかもしれないからです。
或いはもっと華麗なやり方があるかもしれませんし、
もっとシンプルなやり方があるかもしれません。
辿り着いた先にあるいのは、美しさです。
数学も、トレードも然り。
無駄のないことに、美学を感じます。
要点を理解していない人の話は長いです。
言葉に贅肉が付きすぎているのです。
負組トレーダーのロジックも複雑です。
難しくやらなければ勝てないと妄信しているからです。
一方で、
勝組トレーダーほどロジックは研ぎ澄まされています。
限りなくシンプルなので、
カーブフィッティングに陥る余地もありません。
同じ問題に「違う解き方」を考えて、
1つの問題を延々と楽しめる人は稼げるようになります。
美しさに辿り着くからです。
稼げない人は、
ただただ答えだけを求めています。
正解に辿り着くと、
すぐに次の問題に進もうとします。
それはただ、
数をこなそうとしているだけです。
「違う解き方」の可能性を模索できない人は、
いつまでも成長しません。
しかし本人は、
数をこなすことで成長できるものと思い込んでいます。
数では、勝負できません。
応用が効かないからです。
この考え方は、
生き方の全てに表れます。
たとえば旅行の仕方では、
低所得層ほどスケジュールを目一杯に詰め込んで、
有名所をいくつも回ろうとします。
何も学びを得られないだけでなく、
時間に余裕がないのでトラブルを招きます。
数で勝負しようとすると、そうなります。
一方で高所得層ほど、
1つの場所にゆっくり滞在し、
違う角度から何度も味わい、深く学びます。
数で勝負せず、
「違う解き方」を楽しめる人々です。
勝組トレーダーはみな、
違う解き方で勝ち続けていますが、
負組トレーダーはみな、
数で勝負しようとしています。
たとえばフィルターの数を増やせば、
勝率を上げられると信じているようですが、
フィルターの数には何の意味もありません。
複雑化されたロジックは、
カーブフィッティングに終わるだけです。
或いは投資対象を増やせば増やすほど、
より分散効果が得られると信じているようですが、
分散数にも何の意味もありません。
手間数が増えるだけです。
下がる時は、世界全体みな一様に下がります。
稼げるのは、
暴落時にショートを仕掛けられた者だけです。
複雑化されたロジックや、
複雑化されたポートフォリオには、
何の意味もありません。
その複雑さは、
シンプルな美しさとは対極にあります。
相場で生き残れるのは、
「もっと華麗なやり方」を模索し続けられる者だけです。
今日も最後までお読みくださり、本当にありがとうございます。
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